創業期①

一九九七年、尾道の駅裏にいっとくはオープンした。そもそも僕は商売を始めたのは早い。

何の商売かというと、自宅にて古着屋を始めたのが十九歳の頃。
なにしろ実家で勝手に商売を始めて、知らない高校生がピンポーンとチャイムをならしてどしどし家に上がり込んでくるものだから、それはそれは、特にじいちゃんは嫌がってた。
で、数か月してガチに店を構える事にしたのである。

場所は長江口、商店街を入って鶴屋の横の路地を入ったところの物件の二階。家賃は五?六万だったか…今考えたら結構するなぁ。不動産屋の人達みんな冷たかった。

家でやってた時友達になったカラーズのスー君や、雁木屋の石井君達にも手伝ってもらってオープン。お金ないから、どっからか拾ってきた物干し竿や、もらったガラスケースとか並べて古着並べて。

当時は古着ブームだったこともあって、前日遊び過ぎてお店のカウンターで寝てたらお客さんに「すみません」とか言われて目を覚ましたら、大量の服を持ってお客さんが立ってた事もあった。(あっ、寝てても売れたー)ってね。

店にはDJブース設置してさ、大音量で音楽流してたから、周りの人達には迷惑かけたなぁ。

そのせいか、店頭に生ゴミ置かれたり、バイクのシートをナイフで切り裂かれたりと嫌がらせを受けた事もあったなぁ。
けど、そんな時には「今にみてろよ!」と見返してやるという負けん気をいつも持っていたと思う。

で、USEDSHOPいっとくを長江から駅裏の今のいっとくの二階に移転したのが二十二歳の頃。本当は飲食店やりたくなかったんだよな。
けど、一階、二階とあるし、オカンも「和食をやりなさい、日本人は和食が好きなんよ。和食は飽きん。」とか分けわからない理論と推しの強さにやられて千五百万借金して今のいっとくOPENしたんだから。

まぁ、古着屋やってたおかげで今の多くのメンバー(めぐりん、大塚、松原、じゅんちゃん、ゆうやも?)あっ、堀田さんもそうだった。…と出会えたんだよ。

他にもそのおかげで沢山の出会いを頂いたよ。けど二十二歳で知識も経験もない人間が、よくも千五百万もの借金したもんだ。そんなやつがいたら間違いなく止めるな。