創業期②

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千五百万かけて開店した尾道駅裏いっとくでは、ランチから始めることにした。

松原店長→当時はアルバイト…と、二人で仕込みして、お昼一人もお客様が来店されない、売り上げ〇の「おまんじゅう」の日もあった。
十四時からの休憩中は二階の古着屋の片隅に設置された倉庫でぐったり昼寝。十六時過ぎにノソノソと這い出て夜の仕込みをして十七時お店オープン。

いつまでこんな事が続くのか…と、結局そんなに楽しくない日々。

…の割に、営業となると相当僕は厳しかったと大塚店長達に後々聞かされた。鉄板の焼き方や接客も、気に入らないとお客様の前でも叱咤しとったんじゃけ。
今じゃ考えられない…

型にハメようハメよう…とするもんで、さっそく初代社員の「石井君」が退社。

もぅあの頃はヤケになっとった。(じゃけ〜飲食店やりとぅなかったんよ)みたく、飲食店をすすめたオカンに怒りの矛先向けてたかもしれんなぁ…と。

そんな日常を二年近く続けたじゃろうか?

転機となったのは、今じゃ専務である「岡野ケンゴ」が入社してからだろう。

白木屋のアルバイトから、イタリアン、フレンチとわたり歩いた彼が入社する事はいっとくにとって大いなる期待だった。
すぐ様二階の古着屋を移転し、そのままお座敷に改装。コース料理はケンゴが考えてくれた。

大工さんと二人三脚で百十万かけて改装した訳じゃけど、ドキドキだけの緊張のオープンだったのをハッキリ記憶している。

開店祝いの予約か入ってたにも関わらずオープンの十分前にやっとテーブル出来上がってね。今でもあの思い出のテーブルは「山源」で使われてるけど、いつか返して貰うかな(笑)

お座敷のお陰で、宴会層のお客様を取り込む事が出来た。
当時の尾道には中々元気な居酒屋もなかったし、宴会出来るようなお店も少なかったんよね。