創業期④ ~やまねこカフェ~

そんなあかぼしがウェイティングの日々が続く中、今度はいっとくで働いてたエツヨが辞めると言い出した。

 

理由は「カフェで働きたいから」だと言う。

「カフェ?喫茶店じゃないんか?」

と聞いたら、

「マスターには言うてもわからんじゃろ」

などと言われ、こっちも古着仕入れに海外とかね…全くセンスがないわけでもないで!と、ムキになって東京までカフェの視察をしに行ったんよ。

 

空き家再生の豊田さん、エツヨなど数人で一日で八軒位ベンチマークしてね。

それから帰ってきて、たまたま見つけた物件が今のやまねこってわけ。

 

エツヨつながりでやまねこのロゴを作成してくれたのは今じゃ有名人の「古武家賢太郎」氏。

すごいよ彼の絵は。その後、BRUTUSの表紙飾ったり、ギャルソンともコラボして服作ったんだから(原画が今もやまねこ飾ってあるよ)

 

こうして尾道初のcaféなるモンは、見よう見まねと周りの人達のおかげで何とかオープンに漕ぎ着けた。

 

今振り返るとカフェやって良かったなと思う。何となく居酒屋での日々の忙しさに疲れ飽きてた自分もいた様に思う。

 

仕事に追われ過ぎている感じが嫌だったんじゃないか?

もともと古着畑の自分としてはもっと何かクリエイティブなことをしたい。

アーティストが集まるようなLiveが出来たり、また違う人達と出会えたらいいな…と。

忙しさで偏る自分をリセットしてくれた、そんな場所がやまねこカフェだったんだろう。

 

店長の悦世に憧れて入店希望した「さっちゃん」も、当時スタッフが多くて入れず数ヵ月後にやっと入店して。

「私の青春は全てやまねこカフェにつぎ込みました!」と言い切る今や店長、在籍十五年近くの彼女には一生頭上がらないかもなぁ。

 

もう思い出せないほどのアーティストがこのお店でLiveをし個展をして。

今や居酒屋チームより全国で言えばカフェチームのが有名じゃし。

 

振り返るとやまねこも安定するまでに長い時間を要したけれど、やまねこが無ければ今みたいな会社になってなかったかもしれない←マジに。

我々にとっても街にとっても本当に必要で素敵な存在になったなぁ…と心から嬉しく思ってる。